マウスピース矯正は透明の目立たない歯科矯正で、日本でも利用者が拡大しています。
見た目や費用面でメリットが多いマウスピース矯正ですが、なかには「装着時間を守れない」「食事のときが面倒」などの口コミもあります。
この記事では、マウスピース矯正の経験者100名に対してのアンケートの結果を元に、マウスピース矯正のメリットとデメリットをまとめました。
装着を始めてから「失敗した…」と後悔しないよう、マイナス面も確認した上で検討しましょう。
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マウスピース矯正の10つのデメリット
マウスピース矯正は、2010年以降に利用者が増えている人気の歯科矯正です。
一方で、マウスピース矯正の経験者100名に対してアンケートをした結果、デメリットも見えてきました。
マウスピース矯正のデメリットやリスクを順番に解説していきます。
食事のときの取り外しが手間
マウスピース矯正のデメリットとして、「食事のときに手間」と感じている人が多かったです。
食事のときはマウスピースの取り外しが必要なので、食べ歩きなど旅行先での飲食がしにくいです。(20代女性)
食事の時や、飲む飲み物によっていちいち外さなくてはいけないのが、少し手間がかかるなと思いました。(30代女性)
マウスピース矯正は装置を自分で取り外しができ、食事のときは原則外します。
ワイヤー矯正は外せないため、弾力のある餅やガム、挟まりやすい繊維質の野菜などは控えなければいけません。
マウスピース矯正は外してしまえば食事内容の制限はほぼないものの、取り外しが面倒と感じている声がありました。
- コーヒーやジュースを飲みたい
- 飴やガムを食べたい
- 小腹が空いたからお菓子をつまみたい
- 旅行やお祭りで食べ歩きをしたい
これらの飲食のシーンでは、マウスピースへの色移りや破損、虫歯のリスクから、装置を外す必要があります。
水を飲む分には装着したままで問題ありませんが、三度の食事以外に飲食が多い人は「また外さなければ」と手間がデメリットに…。
なかには少々でならマウスピースをつけたまま飲食をする人もいますが推奨されておらず、歯科医師に確認が必要です。
今までお菓子を口にすることが多かった人は、矯正とダイエットが合わせてできるチャンスではあるものの、ストレスを感じやすいでしょう。
毎日20時間以上の装着が必要
マウスピース矯正は、自身で装着時間を管理する必要がある点をデメリットと感じている声がありました。
つけ忘れがあったり、外す期間があったりとズボラな自分には合わなかったです。(30代女性)
マウスピース矯正は自己管理が必要で、装着時間や交換時期を守らないと計画通りに歯が動かないので、仕事の終わる時間や休みが不定期な自分には少し厳しいなと後悔しています。(40代男性)
ブランドによって差はあるものの、一般的にマウスピース矯正は毎日20~22時間の装着を求められます。
基本的に、外して良いのは次のタイミングです。
- 飲食の時間
- 歯みがきの時間
飲食と歯みがき以外では、マウスピースを装着しておく必要があります。
装着時間が短いとシミュレーションどおりに歯が動かないため、治療が長引きがちです。
習慣化してしまえば問題ありませんが、つい忘れてしまったり、管理が甘かったりする人は「マウスピース矯正に向いていない」と後悔するでしょう。
慣れるまでは違和感がある
マウスピース矯正は、慣れるまで違和感があると答えた人も少数いました。
最初のうちは慣れるのに時間がかかりました。(20代女性)
神経質なのかなかなか慣れず、寝る時にマウスピースを使用するのが嫌でした。(50代女性)
マウスピース矯正は、比較的痛みや違和感が少ない治療ですが、「慣れない」と感じる場合があります。
違和感を感じやすいのは、次のタイミングです。
- 治療を始めてから1週間
- マウスピースを交換して2~3日
- 装着をサボっていた直後
マウスピース矯正を始めてから1週間は、最も違和感が出やすい時期です。
また、マウスピースを新しいものに交換して数日も、今の歯並びとの差が大きいので違和感がある人もいます。
装着をサボると歯並びが後戻りしやすく、再び装着したときに違和感を感じやすいので、決められた装着時間を守りましょう。
ある程度は時間がかかる
マウスピース矯正は、治療にある程度の時間がかかることをデメリットと感じている人も多かったです。
効果をなかなか感じられず、時間がかかりました。(40代女性)
長期間やらなくてはいけないことがデメリットです。留学の予定が控えており、途中で辞めてしまいました。(30代女性)
一般的に、マウスピース矯正は1枚で約0.25mm歯が動くといわれています。
1枚の装着期間は1~2週間のため、1mm動くのに1~2ヶ月かかるとイメージしておきましょう。
軽度のすきっ歯であれば2ヶ月で間が狭くなってきたと感じる人もいます。
一方で、すぐには違いを実感できないケースも多く、根気よく治療を続けることが大切です。
留学・引っ越し・妊娠など、ライフスタイルの変化が予想される場合は、治療の時期を慎重に検討しましょう。
マウスピースの紛失や破損が心配になる
マウスピースは1~2週間ごとに取り替えるため、期間中の紛失や破損もマウスピース矯正のデメリットです。
マウスピースが割れないように注意を払わなければいけません。(20代男性)
マウスピースのつけ外しのとき、紛失すると面倒なのはデメリットに感じました。(30代女性)
マウスピースを紛失したり破損したりすると、治療や費用に影響が出ます。
- 新しいマウスピースを手に入れるまで治療が進まない
- マウスピースの破損は追加料金が必要になる場合が多い
着用すべきマウスピースを破損・紛失すると、新しいマウスピースを作り直してもらうまでは矯正が進みません。
1つ前のマウスピースを装着して後戻りを防ぐケースもありますが、その分治療期間が長くなるでしょう。
また、マウスピースの紛失・破損は追加料金が必要となる場合が多いです。
思わぬ出費になりかねず「紛失しないように…」と慎重に扱うのを面倒と感じている人もいました。
追加料金が必要なケースがある
マウスピース矯正のデメリットとして、追加料金を挙げた人も数名いました。
最初に聞いていた回数では終わらず、追加が必要と言われて思わぬ出費がありました。(30代女性)
想定より金額がかかったため失敗したと思いました。(30代男性)
マウスピース矯正では初回検診で歯の動きのシミュレーションを行い、プランや料金の目安などが伝えられます。
ただ、歯の動き方には個人差があるため、必ず計画どおりに進むとは限りません。
ブランドやクリニックによっては、追加料金が必要になる場合があります。
- プランのマウスピースの枚数に幅がある:追加料金がかかりにくい
- プランによって回数が細かく決まっている:追加料金がかかりやすい
マウスピース矯正のブランドによっては、プランごとにマウスピースの枚数にある程度の幅があり、1~2枚増えても同じ料金内で進められます。
逆に少なくても料金は同じ点はデメリットです。
一方で、プランによって通院回数やマウスピースの枚数が細かく決まっている場合は、1回の追加で料金が加算になるケースもあります。
どの範囲であれば追加料金は不要か、治療の前に確認しておくと安心です。
歯並びが後戻りすることも
マウスピース矯正では歯並びが後戻りする可能性があり、不安に感じている人がいました。
今のところないですが、後戻りしてしまいそうで怖い…。(20代男性)
リテーナーをさぼってしまった時期がありました。(30代女性)
マウスピース矯正では、矯正治療が終了した後にリテーナーを装着します。
リテーナーとは、移動した歯が後戻りしないために固定する装置で、最初は20時間程度の装着が必要です。
歯が安定してくれば夜だけの装着となりますが、装着時間や期間が短いと後戻りの原因に。
矯正治療の終了後も気を抜かず、決められた時間はリテーナーを装着しておきましょう。
咬み合わせが悪くなることがある
マウスピース矯正のデメリットとして、一時的に咬み合わせが悪くなるリスクがあります。
咬み合わせについては、マウスピース矯正のブランドやクリニックの注意書きに書かれているケースがあるものの、今回のアンケートでデメリットとして挙げた人はいませんでした。
頻繁に起きる事例ではないものの、リスクとして把握しておきましょう。
原因は主に、治療計画が不適切であったり、定期的な歯のチェックを怠ったことです。
治療中は歯に違和感を覚えたら、早めに歯科医師に診てもらうことをおすすめします。
複雑な歯の移動は難しい
マウスピース矯正のデメリットには、すべての歯並びに対応できないことが挙げられます。
- 歯を大きく動かす必要がある
- 重度の受け口や出っ歯
- 極端に悪い歯並び
難しい症例はマウスピース矯正で治療ができなかったり、ワイヤー矯正と併用になるケースもあります。
ブランドやクリニックによっても、治療が可能な歯並びや範囲は様々です。
症例などを参考に対応が可能か確認したり、直接問い合わせてみましょう。
途中で面倒になって挫折する
ここまでマウスピース矯正のデメリットを見てきましたが、無事に治療が始められても途中で面倒になって挫折してしまうケースがあります。
途中でやるのがめんどくさくなるから、やらなければよかったと思いました。(20代女性)
マウスピースを外していた方が楽だったので、真面目に取り組まなかった期間がありました。医師に叱られました。(30代男性)
マウスピース矯正は「歯並びを整えたい」との目的で行う人が多く、病気の治療と違って緊急性は低いでしょう。
コンプレックスを解消したい気持ちが強ければ続けられますが、なんとなく始めてしまうと挫折しがちです。
マウスピース矯正のデメリットを踏まえた上で、「半年~1年は頑張れる」との意思がある人に治療をおすすめします。
マウスピース矯正の5つのメリット
マウスピース矯正はデメリットもありますが、利用して良かったと感じている人が多数です。
メリットは次の5つです。
順番に見ていきましょう。
矯正していることを周りに気づかれにくい
マウスピース矯正の一番のメリットといえるのが、治療中と周りに気づかれにくいことです。
思った以上に目立つことなく過ごせました。(20代女性)
周りに気づかれにくく恥ずかしさがなかったです。(40代女性)
マウスピースは透明で厚みも薄いため、「思った以上に目立ちにくい」と感じている声が多くありました。
- 矯正中も見た目が気になる
- 友人に指摘されるのは避けたい
- 人と接する仕事のため、ワイヤー矯正は抵抗がある
矯正の見た目やバレにくさを重視する声は多く、マウスピース矯正が選ばれる最大の理由ともいえます。
矯正は期間が長いからこそ、気にならずに治療できるメリットは大きいでしょう。
従来の矯正より料金が手頃
従来の歯科矯正と比べ、マウスピース矯正は費用を抑えられるケースが多いです。
値段がそこまで高くなくてよかったです。(20代女性)
費用が比較的リーズナブルに抑えられました。(40代女性)
症例によって費用の幅は大きいものの、前歯のみであれば20~30万円程度で治療が終了している人もいました。
「歯科矯正は高い」と諦めていた人も、マウスピース矯正なら予算の範囲内に収まる場合があります。
費用の目安は次のとおりです。
- 部分矯正/軽度:30万円
- 全体矯正/中度:60万円
- 全体矯正/重度:90万円
ブランドやクリニック、歯並びによって金額に差はありますが、従来の矯正より手頃と感じられるでしょう。
なかにはマウスピース矯正で治療ができない症例もあるため、費用の目安も含めて相談することをおすすめします。
痛みや違和感を感じにくい
一般的に、マウスピース矯正は、ワイヤー矯正より痛みや違和感を感じにくいと言われています。
痛みが少なくて日常生活を送るのに問題なかったです。(30代女性)
思ったより違和感や痛みもありませんでした。(30代女性)
マウスピース矯正は歯にかかる圧が比較的小さく、段階的に歯を動かす治療です。
もちろん、痛みや違和感には個人差があり、ほとんど違和感がない人もいれば、痛みを感じる人もいます。
マウスピース矯正でも、歯が動いているときに痛みが出る場合があることは理解しておきましょう。
あまりに痛みが強い場合は、虫歯などのトラブルの可能性もあるため、歯科医師への相談がおすすめです。
取り外しができて便利
マウスピース矯正は、自分で簡単に取り外しができるメリットがあります。
取り外しができるので食事に影響がなく、食べられないものがないのところが良かったです。(20代女性)
装着や手入れが楽なので、長期間の治療も抵抗感なく続けられました。(40代男性)
ワイヤー矯正は取り外しができない分、食事や口腔ケアに工夫が必要です。
一方のマウスピース矯正は、取り外してしまえば影響はあまりありません。
歯の移動中は硬いものを食べると痛みが出やすいため、控えることを勧められる場合があるものの、ワイヤー矯正と比べると自由度は高いでしょう。
マウスピース矯正は慣れると取り外しも簡単にでき、歯磨きもいつもと同じ方法で問題ありません。
自信が持てるようになる
マウスピース矯正をすると「自信が持てるようになった」と感じている人が多くいました。
自信を持って笑えるようになったことが一番嬉しいです。(20代男性)
俯き加減にして笑う必要がなく、気が楽になりました。(20代女性)
歯にコンプレックスがあると、どうしても自分に自信が持てず、上手く笑えないことに悩むでしょう。
きれいな歯並びを目指すことで、「思いっきり笑えるようになった」との声が増えています。
マウスピース矯正のメリットとデメリットのまとめ
マウスピース矯正は、1日の装着時間を守ったり、食事のときに取り外しが必要だったりと、やや面倒と感じられるのがデメリットです。
一方で、周りに気づかれにくく、比較的リーズナブルな価格で歯科矯正ができることから、多くの人に選ばれています。
マウスピース矯正は続かない人もいる一方で、「歯並びを変えたい」と思う気持ちが強ければ、モチベーションを維持して治療期間を過ごせます。
ブランドやクリニックによって特徴や費用は異なるので、自分に合ったマウスピース矯正を選んで治療を始めましょう。